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作業療法士ができた3つの歴史と作業(occupation)の意味について

仕事

どーも!作業療法士のジュゴンです。

この記事では作業療法士(occupational threapist=OT)がどのような歴史的背景を持っていて、そもそも作業って何という事を説明します。

この記事は臨床をやりながら、理学療法士さんと俺たち作業療法士って何が違うんだっけ、俺たちの仕事ってなんなんやろと思った時に、もう一度作業療法士の存在意義について戻れる事で、仕事のやりがいを再度感じてほしいと思います。

また高校生や進路に悩んでいる人に対しては、今までの人生で理学療法士さんや看護師さんにお世話になることは会っても、中々作業療法士に出会ったことがある人は少ないと思います。だから何を解決する仕事なんだろうか、どんな風に生まれてきた仕事なんだろうかとわからないと思いますので、将来の職業を選択する際の一つの候補として貰えればと思います。

結論、作業療法士の仕事は精神科を舞台として始まり、社会がどんどん工業化されていく中で、自分たちの手作業を大切にしたり、子供たちの教育も社会から切り離されないように体験的に行おうという3つの歴史的背景(道徳療法、アーツアンドクラフツ運動、プラグマティズム)が関わっています。

それらについて詳しく説明していきます。

作業療法士の3つの歴史的背景

精神障害者の鎖からの解放、そして人間らしい生活の再構築(道徳療法)

1700年代後半では、今では考えられませんが病院の中でも精神疾患患者さんは鎖に繋がれていました。その他にもたくさん体の血を抜いたり、頭の前からドリルで穴を開けて・・・。というロボトミーというような手術もあったぐらいです。

しかし、ある医師が何か手作業に没頭している時間を作るような関わりをしている看護師さんと、その患者さん達を見て対象者が生き生きとしている様子を見たところから、もっと人間らしく規則正しい生活や習慣が重要なんだと始まったのが道徳療法です。その背景があることからも、作業療法士は精神に対してアプローチするというイメージが強いのです。

画像は当時のフランスのフィリップピネルWikiより

産業革命により手作業離れと、女性の社会進出(アーツアンドクラフツ運動)

産業革命が起こると地方から都心部への移住が行われ、工場での大量生産に切り替わりました。その様な大量生産された製品に囲まれて生きていたくない!と考えた人たちが始めた運動がアーツアンドクラフツ運動です。現代でいえば全身ユ⚪︎クロ、家具は全部ニ⚪︎リ、チャイムで管理されて仕事をして、そんな生活って本当にしあわせなんか。もっと少しぐらい不自由でも自分達の生活はオリジナリティ溢れる、創造性豊かな暮らしをした方がいいのではないかと始まったイメージです。また産業革命で女性も働き手として需要が高まる中で、より専門性の高い仕事をしたいという事から、今まで行ってきた家事や手工芸などを活かした仕事ができるということから、世界的に見て女性が多い職種となっています。

アーツアンドクラフツ運動の中心人物であるウィリアム・モリスの作成したタペストリー

工場で働く親、学校に預けられ社会と隔絶しまう子供達(プラグマティズム)

親が工場で働く時間には子供達は学校に預けられて、一斉に授業を受ける必要性があった。今までは親が子供に手取り足取り自分の家の家業を教えていたことに対して、一方通行的で実戦が欠如した授業が増えることによって、子供達の創造性が欠如していくことに危機感を感じていた。プラグマティズムを提唱していたジョン・デューイらは実験学校を開校して、その学校は中心を図書室にし、その周りに様々な作業実践ができる教室を配置した。その様にしてただ頭で学ぶだけではなく、それらの知識を実践で活かす経験を多く取り入れる考え方が作業療法には取り入れられている。そしてその中で初めてOccupation=作業という概念が使われた。

Occupation=作業とは何か?

その当時デューイが提唱したOccupation=作業には3つの条件がありました。

・子供達が心を奪われてしまうほど集中して行える活動(専心的活動)

・人間が協力しながら生活をより良いものにしてきたことがわかる活動

・子供たちが協同で活動を行うことができること

この3つの概念では子供となっていますが、人々と言い換えることもできると思います。現代の日本作業療法士協会の定義ではその人にとって意味や価値のある生活行為を用いて治療を行うことされています。今は健康で当たり前にできている作業が、ある時怪我や病気によってできなくなった時に、あなたらしさを現してくれる作業とはどんなものになるでしょうか。美味しいものを食べて、家族とボードゲームをする。得意料理を振る舞って喜ぶ人々の顔を眺める。それらができなくなった時にもう一度サポートすることが作業療法士の仕事です。

まとめ

今回は作業療法の3つの歴史的背景である、道徳療法、アーツアンドクラフツ運動、プラグマティズムと、作業の定義について説明していきました。忙しい毎日の中で、自分がホッとする時間作れていますか?少しの不自由さを楽しむためにキャンプをしたり、料理をしたりして作業に没頭すると意外と頭がスッキリすると思います。今週末は何か少し作業を取り入れた有意義な週末にしてリフレッシュしてみてください。

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