今日誕生日の人おめでとう!
どーも作業療法士のジュゴンです!
今回は、認知症の人の周辺症状(BPSD)を軽減させる為に、脳機能とリハビリテーションを意識した関わりをしようという事について紹介します。
認知症の人で徘徊したり、それを静止する怒鳴られて怖い。
介護をしたいのだけれども、拒否して暴力を振るわれてしまう。
そんなあなたに読んでほしい記事です。
結論!カンフォータブル・ケアの考え方を導入しましょう!
それでは詳しく解説していきます
認知症とは何か?
認知症は、大脳という脳の一番外側(人間らしい)の機能が障害され、記憶力、思考力、判断力、言語能力などの認知機能が一旦獲得した後に、徐々に低下してしまう疾患の総称であり、病名ではありません。主な原因には4大認知症といわれるアルツハイマー病、レビー小体型認知症、脳血管性認知症、前頭側頭型認知症(ピック病)などがあります。
認知症の症状は?
大きく分けると2つの症状に分類することが出来ます。
中核症状=脳そのものの機能の障害によって起こる 記憶の障害、言葉の理解や発話の困難、物事の判断力や計画能力の低下、日常生活の活動における困難
周辺症状(行動・心理症状:BPSDともいう)=中核症状によって不安定(抑うつ、焦り、イライラ)になった心理状態により、周囲が異常に感じる行動(ウロウロを歩き回る、家にいるのに帰ると言い出す、食べ物でないものを食べてしまう)を行ってしまうという症状
認知症のケアの目標
認知症のケアの主な目標には、患者の安全と生活の質を確保すること、患者の症状を最大限に管理すること、患者の家族や介護者のサポートを提供することなどが含まれます。
カンフォータブル・ケアについて
認知症の人は大脳といって脳の一番外側の機能が低下しますが、その次の層を大脳辺縁系といい感情などを司っています。この部分は残っているので、快・不快などについては感じられることが出来ます。この大脳辺縁系は自律神経にも深く関わっており、リラックス状況か、戦闘モードなのか体と連携しています。周辺症状(BPSD)が強く出現している人というのは、とてもリラックスしている状況だとは思えませんよね。この戦闘モードでずっといるということは、とても辛い状態だと思います。その為、ケアの力によってリラックスできる状態を作ってほしいと思います。
カンフォータブル・ケアの10項目
①いつも笑顔
笑顔で関わることは、本能的に相手を落ち着かせる。真顔や真剣な顔は認知機能が低下した人に対しては怒っている顔に見えるから要注意。
②いつも敬語
認知機能が低下していても、記憶の片隅の中には高齢者であることが感じられる。丁寧な言葉遣いで話されることで、相手も心地よく感じる。
③目線を合わせる
目線を逸らされると自分を認識していない様に感じられる。相手の目を見ることが相手を認め、しっかりと受け止めようとする印象につながる。
④優しく触れる
触れられることで心地よいと感じれる人は、オキシトシンなどの幸せホルモンが分泌される。
⑤ほめる
褒められることでドーパミンが脳から出され快感情となる。褒めることができる場面を作ることもケアの腕の見せ所。
⑥謝る態度を見せる
その人の世界の中では、理不尽だと感じることを行ってしまっていると考える。まずは真意に謝罪すること、その謝罪で何を怒っていたのかを忘れることもある。謝る人に頭ごなしに怒り続けるのは難しい。
⑦不快なことは素早く終わらせる
どうしても不快なこと(注射・点滴・汚れた衣類の交換)などが生じる場合には、2〜3人で協力して、話しかけて状況を伝える人、抑える人、ケアを遂行する人など役割分担して、とにかく不快なことは素早く終われらせて、脳に記憶としてなるべく残さない。そして、最後にはお礼をしっかりとすること。
⑧演じる要素をもつ
記憶が曖昧になり、自分のことを間違えて違う人だと認識する事がある。その際にはあえて否定せずに演じてみても良い。その中でその人の友人関係や親族との思い出などが聞ける事があるし、知り合いに会えたという事で誰も知らない場所に一人きりという不安感が少しでも減少する。
⑨気持ちに余裕をもつ
余裕がないと優しくなれない。ケアを受けるべきはまずケアする人自分自身。チームがギスギスしているとケアにも支障が出る。リーダーはそれらもキャッチして、みんなが前向きに働けるように工夫する。
⑩相手に関心を向ける
通り過ぎるたびに朝の挨拶をしても、記憶の障害で忘れてしまうこともある。その様な時にも何度も声をかけていく。そうすると些細な変化に気づくことができる。良い変化・悪い変化を見逃さないことが、次のケアに役立つヒントになる。
まとめ
今回はBPSDを軽減する為のケアの方法について、カンフォータブル・ケアを紹介しました。
ケアは技術です。自分が生活の中で受けた心地よい対応、例えばキャビンアテンダントさんの声かけや、ディズニーランドのキャストさん関わり方は本当に素晴らしいものがあります。
それらを認知症の方々に合わせて変化させながら、実行していく事がケアを更に向上させることにつながると思います。私自身は日本精神科看護協会で研修を受けましたが、書籍も発売されていますので、もっと深く知りたい人は下のリンクからどうぞ!
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それでは皆さんにとって素晴らしい1日になりますように!
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